宙ぶらりんの無保険者
離婚してから国民健康保険への切り替えがまだ終わっていない。
役所に手続きに行ったものの、脱退証明書なるものが必要らしい。
それは元夫に頼むしかない…絶望。
待つ間、私は「宙ぶらりんの無保険者」という状態になった。
普段の生活ではあまり意識しないけれど、病院に行こうとするとこの立場は非常に重い。
「保険証を忘れたとき」とは違って、割引がきかない。
すべて十割負担だ。
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十割負担で精神科へ
それでも体調管理は待ってくれない。
私は4週間に一度、精神科に通っている。
東京の生活に合わず、さらに夫との生活ストレスで診断されたのは「適応障害」。
いまは京都の実家に戻っていて、日常生活は元気に過ごしている。
けれど定期的な通院は欠かせない。
無保険の状態で病院へ行くのは勇気がいる。
「十割負担」を覚悟して診察を受けた。
会計で出てきた金額は 4,380円。
思ったよりは少なかったけれど、いつもの3割負担に比べればやはり高い。
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薬代で二万円
次は調剤薬局。
ここでさらに現実を思い知らされた。
4週間分の薬代は 20,410円。
支払い方法を一瞬迷う。
カードにするか、現金にするか。
結局、現金にした。
財布からお札を出すときの感覚は重い。
カードなら一瞬で終わるけれど、「お金が出ていった」感覚が薄れるからだ。
あえて現金で払ったことで、むしろ実感を持って受け止められた気がする。
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アルバイト十日分の出費
精神科と薬局での支払いを合わせて 2万5千円。
私のアルバイトは時給1,300円、1日2時間。
つまりこれは アルバイト10日分に相当する。
十日間汗を流して稼いだ分が(汗は流してないけど血の涙は流してる)、病院と薬代で一瞬にして消える。
バッグも宝石も買っていないのに、財布だけが軽くなる。
これを「強制的な贅沢」と呼ばずにいられない。
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強制的贅沢
贅沢とは本来、自分の意思で選ぶもの。
けれど時には、避けられない支出が「強制的な贅沢」として現れる。
無保険という状態が生んだ、思いがけない高額出費。
これはもう、私にとって忘れられないエピソードになった。
こうしてまた、私の人生貨幣は削られていく。
残りは 2,047万5千円。
次はどんな形の贅沢が待っているのだろう。